【視察報告】宮古市 台風10号による被害状況

 こんにちは、プレゼントツリー事務局です

9月15日(木)、台風10号の上陸から2週間が経過し、少し落ち着いてお話を伺える状況となられたようでしたので、被害状況の視察ならびに現地協働先様へのご挨拶のため、宮古市を訪れました。

はじめに「Present Tree in 宮古」植栽地に関しましては、現地に向かう林道も含めて、台風のよる被害はまったくありませんでした。支援者の皆様には大変ご心配をお掛けしておりましたが、ここに無事であったことをご報告申しあげます。詳細は、この後のブログをご覧ください。

台風による被害が甚大だったのは、盛岡市と宮古市を結ぶ幹線道路「国道106号線」の中間地点にある「川井地区」を境にして宮古側でした。106号線に沿って流れる閉伊川(へいがわ)が上述エリアで決壊し、橋の崩落もありました。大量の土石流が樹木を根こそぎなぎ倒しながら閉伊川に流れ込み、濁流となって法面からあふれ出しました。

市の職員の皆様は事態の収拾に奔走されていたこと、「国道106号線」は9月12日まで通行止め箇所があり、宮古側から植栽地のある地域までアクセスできなかったこと等から、15日当日まで植栽地の様子はわからない状態でした。ただ、植栽地は被災地域外に位置していますので、心配はないだろうとの事前情報はいただいておりました。宮古市におかれましては市民の皆様の生活に関わるお仕事が最優先だと考えておりましたので、まずは自分たちの目で現地確認することにした次第です。当日は、岩手県森林整備協同組合の方に同行をお願いしました。

一方、現地協働先である宮古市農林課と株式会社小林三之助商店のある宮古市茂市(もいち)地区では甚大な被害がありました。Present Tree支援者の皆様にも現状を知っていただきたく、この場をお借りしてご報告させていただきます。

宮古市の被害に関する報道では、主に駅周辺の冠水の様子が伝えられていましたので、茂市や川井といった地区の情報はほとんど入手できませんでした。

そして、実際に現地に向かう途上、その被害状況の凄まじさには只々驚くばかりでした。国道を走行中、その傷跡を至るところで見ることとなりました。

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普段は美しい清流の閉伊川は、 台風から2週間経った今でも、土石流被害と山林から流れこむ大量の水によって濁流状態が続いています。川沿いの流木の量にも唖然とします。

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 濁流にのみ込まれた自動車を、数ヶ所で目撃しました。

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 川の決壊により崩落した橋です。

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次の画像上左が宮古市新里(にいざと)総合事務所で、農林課の皆様の職場です。こちらのすぐ近くの橋が崩落していました。

山林の中で作業用重機が泥に埋まり、未だに運び下ろせない現場も少なくないようです。国道106号線沿いの山林を見る限りでは、山は崩落していないようでしたが、脇に入ったところでは林道そのものが消失して川のようになってしまっている箇所もあるのだとか。農林課の皆様は、まだまだ現地調査すべきところがあり、気の休まるときがないようです。

9月10月に予定していた市主催の間伐体験イベントはじめ各種イベントは、すべて中止となりました。これに伴い、10月16日(日)に予定していた「Present Tree in 宮古」第5回植樹イベントにつきましても中止とさせていただき、来年6月に延期することといたします。皆様には、何卒ご理解賜りますようお願い申しあげます。

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新里総合事務所を後に、「Present Tree in 宮古」で10年間の保育管理を担って下さる株式会社小林三之助商店の岩手工場をお訪ねしました。

製材加工等もされているこちらの工場では、敷地にあった木材の約3割が流されたとのことで、被害は甚大なものです。大量の泥が積もって機械類までも覆い尽くし、社員一丸になってもその処理に2週間も要したそうです。あと1時間長く雨が降っていたら工場ごと流されたかもしれない、と不安でいたたまれなかったほど、尋常ではない川の暴れようだったそうです。工場に平常の稼働が戻りますよう、願ってやみません。

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さて、認定NPO法人環境リレーションズ研究所では、宮古市への義援金を持参し、農林課を通しておおさめさせていただきました。宮古市の皆様に一日も早く通常の生活が戻りますよう、スタッフ一同、心より復興をお祈り申しあげます。

Present Tree 事務局

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