宮城県大崎市

森の育む水が、おいしいお米をつくる。

宮城県大崎市の山間部にある鳴子温泉郷は、千年の歴史を刻む湯の里です。
一方、平野部の田尻地区では近年渡り鳥と農業の共生を図る「ふゆみずたんぼ」による米作りが行われています。
私たちは、鳴子温泉郷に位置する江合川の水源近くに広葉樹の森をつくり、下流の米どころを潤す水を育みます。
上流の森を育てることで、下流の米づくりと多様な生物の共存を支えるプロジェクトです。

多彩な自然環境が共存する大崎市
宮城県大崎市は東西に約80kmの長さを持ち、奥羽山脈から江合(えあい)川と鳴瀬(なるせ)川の豊かな流れによって形成された、広大で肥沃な平野「大崎耕土」を有する四季折々の食材と天然資源、そして地域文化の宝庫です。市の西部にある鳴子温泉郷は、江合川の上流に位置する5ケ所の温泉地からなる一大温泉郷で、日本にある11の泉質のうち、9種類が集まっています。また、景勝地「鳴子峡」は、10月中旬~11月上旬にかけて大谷川が刻んだ深さ100メートルに及ぶ大峡谷が紅葉に覆われます。その眺めは絶景です。

世界農業遺産
大崎地域には、冷害や洪水など厳しい農業条件の中で育まれた豊かな農業遺産があります。水田や水路そして、水田の中に浮かぶ森のような屋敷林「居久根」には、多様な動植物が存在する豊かな湿地林が残されており、独特の農村景観を形成しています。

こうした持続可能な水田農業を支える「大崎耕土」 の伝統的水管理システムは、未来に残すべき「生きた遺産」として2017年に世界農業遺産に認定されました。

名馬の産地だった山間のまち・鬼首
「Present Tree in みやぎ大崎」2ヶ所目の植栽地は、山形と秋田の県境に最も近い鳴子温泉鬼首(おにこうべ)地区にあり、その一部は栗駒国定公園に指定されています。鬼首温泉の開湯は応神6(西暦270)年頃といわれ、江戸時代には湯治場として栄えました。 日本有数の間欠泉や片山地獄、荒湯地獄など荒々しい自然の姿の温泉が湧出し、全国でも数少ない天然蒸気を使って発電する鬼首地熱発電所があります。

鬼首はかつて馬産が盛んな地域で多くの名馬を輩出しており、その昔伊達藩の隠し牧場があったといわれています。周囲を1,000m級の山に囲れた広大な原野には、昭和になるまで数百頭もの馬が放牧されていたそうです。その後は、牛の放牧へと変わりました。

原発事故による畜産への影響
鬼首の放牧場は、2011年の福島第一原発事故の影響で放牧牛受入れ休止を余儀なくされましたが、2014年から順次受入れが再開されました。「Present Tree in みやぎ大崎」の新植栽地は、牧草を供給していた採草地跡の一画にあります。原発事故以降、畜産から撤退する農家もあり、牧草の需要が減少したことから当地での採草は行われなくなりました。そのような中、大崎市からの「もともと広葉樹林であったこの地を、自然の森に戻したい」との要望を受け、新たにプレゼントツリーの植栽地とする運びとなりました。

鳴子温泉の伝統工芸「鳴子こけし」の材料になるミズキをはじめ、地元植生の広葉樹の森づくりをします。森が育んだ豊かな水は荒雄川・江合川を伝って下流域の田んぼを潤し、そこに棲む様々な生き物に恵みを与え、自然の営みとひとの営みを共存させることができます。

プロジェクト概要

目的:
水源涵養林の育成・生物多様性の保全
協定期間:
2016年12月1日~ 2036年3月31日
所在地:
宮城県大崎市鳴子温泉鬼首字小向原8-25の一部
管理者:
大崎森林組合
地積:
7.55ha
樹種:
イタヤカエデ、ミズキ、ブナ、ミズナラ、ヤマザクラ
  • 世界農業遺産に認定された「大崎耕土」(写真提供:大崎市)
  • 紅葉が美しい鳴子峡
  • 植栽地の様子(植栽前)
  • 2011年の福島第一原発事故前は、牧草地だった
  • 2017年からスタートした鬼首地区でのプレゼントツリー
  • 大崎市と協働で行う植樹イベントの様子
  • 毎回、多くの子どもたちが参加してくれます
  • 総勢約150名が植樹イベントに参加してくれました

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