北海道中川郡中川町

キコリがつくる、100年先の森。 -かつての放牧地を豊かな森に-

豊かな森と川の生態系が保たれるこの地には、国の天然記念物オジロワシも営巣しています。
一方、古くから生業となってきた酪農は、過疎化により活気を失い、遊休牧野が広がりつつあります。
私たちは町とともにこの遊休牧野に樹を植えます。
そして、1本1本の樹が人と想いを集め、将来に亘って、公益的 な機能と価値が受け継がれる森をつくります。

中川町について
中川町は、北海道北部に位置する人口1600人ほどの小さな町で、森林率87%と町は360°森に囲まれています。東に北見山地、西に天塩山地、この両山地の中央を日本最北の大河「天塩川」が流れ、中川町は昔からこの「天塩川」の恵みを受け続けてきました。地形は山岳地と平谷地に大別され、平谷地は一部の泥炭地を除き、肥沃で農耕に適しています。気候は日本海沿岸型に属し、春は雨が少なく秋に多くなります。また寒さが厳しく積雪も多いのが特徴です。

林業の町
中川町を含む北海道北部の森林の自然な姿は、針葉樹と広葉樹が混ざり合った針広混交林です。中川町ではこの豊かな森林を背景に林業が盛んです。旭川家具は、日本5大家具産地に数えられる日本屈指の家具産地ですが、製作の大部分を外国産材に頼っていました。旭川家具は、ふたたび地元の広葉樹で家具をつくることに産地全体で取り組もうと決意し、中川町はこの取組みを木材供給面で支援しています。

また、中川町は、森林管理や木材利用をテーマに北海道大学北方生物圏森林圏フィールド科学センター北管理部(以下、北大研究林北管理部)との間に包括連携協定を締結しており、人材交流や技術交流のほか、プレゼントツリーの取組みも協働して進めています。

遊休公共牧野を森林に
中川町は、酪農も盛んな地域でした。昔は、今よりもっと多くの人が暮らしており、たくさんの牛が飼育されていました。過疎化や人口減少が進み、かつて放牧地として造成された公共牧野(町が運営する牧場)は、その役目を終え、原野化しています。牧草の種は非常に強く、放置していても森に還ることはありません。

そこで、中川町 x 北大研究林北管理部 x プレゼントツリーは、元の牧草地に対する適切な植林方法とし現地の種子源を活用し、その地域に応じた針広混交林の森を再生するプロジェクトを立ち上げました。

木こりがつくる森
私たちは、森の恵みをできる限り活かし、生物多様性に配慮し、天然更新力を生かした、経済的にも環境的にも持続しうる森づくりを目指します。 その為に、地元の木こりと呼ばれる森林業者が培ってきた「知恵」や「経験」を活かし、長い時間をかけ、多様性に富む森林づくりに取り組みます。 100年後には先人が残した、木こりの森として、次世代に引き継がれていくでしょう。

プロジェクト概要

目的:
森林再生啓発・生物多様性の保全
協定期間:
2018年10月22日~ 2029年3月31日
所在地:
北海道中川郡中川町字板谷192-1
管理者:
中川町
地積:
4,77ha
植樹本数:
7,300本
樹種:
アカエゾマツ
  • 町の中心を流れる日本最北の大河「天塩川」
  • 厳冬の大自然が育む中川町
  • 中川町産木材で作られた旭川家具・地元の木工作家の作品
  • 酪農が盛んだった中川町
  • 毎年10月に開催される中川町の植樹祭
  • マイ・スコップで上手に植えました
  • 親子で参加
  • 昭和レトロな天塩中川駅
  • 中川町では、アンモナイトの化石が多く発見されている
  • 北海道に生息するエゾシカ
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